授業評価アンケートの質問例25選と結果の生かし方
授業評価アンケート・研修アンケートの作り方を解説します。実施の時期、匿名か記名か、そのまま使える質問例25選、回答の分析と改善への生かし方までまとめました。
目次
授業評価アンケートとは、受講生が講座を評価し、学習に役立ったことと妨げになったことを答える短いアンケートです。企業研修では研修アンケートとも呼ばれます。実施は2回が理想です。同じクラスのために改善できる講座の途中と、次の開講を改善するための終盤です。質問は10問前後にし、評価式の質問に自由記述を1〜2問加え、回答を受けて何を変えたかを後で受講生に伝えましょう。
要点まとめ
- 中間アンケートは今のクラスに、終了時アンケートは次のクラスに役立ちます。できれば両方行います。
- 匿名のほうが率直な回答が集まります。記名にするのは、個別にフォローする必要があるときだけにします。
- 網羅より短さが大切です。8〜12問で、ほとんどを同じ尺度の評価式にし、自由記述を1〜2問。5分ほどで終わるようにします。
- アンケートは、回答を分析し、いくつかの点で行動し、何が変わったかを受講生に伝えて初めて意味を持ちます。
授業評価アンケートを行う理由と時期
受講生は、講師や運営側が教壇からは見えないことに気づいています。速すぎる進度、分かりにくい指示、仕事と重なる時間帯、スマートフォンでは使いにくいシステムなどです。授業評価アンケートは、こうした気づきを退会につながる前に行動できる情報に変えます。
中間アンケート
講座の3分の1から半分ほど進んだ時点で、進度、分かりやすさ、運営について少しだけ質問します。変更があれば今のクラスがその恩恵を受け、受講生は自分の意見が反映されることを実感できます。質問は4〜5問で十分です。
終了時アンケート
終盤には、内容、指導、運営、教材、全体の満足度といった体験全体について聞きます。回答は次回の講座、講師の育成、プログラムの見直しに生かします。受講生が去った後は回答が大きく減るため、講座が終わってからではなく、最終回の前に実施しましょう。
そのほかの有効なタイミング
- 長期のプログラムで最初の2週間が終わったとき。入会直後のつまずきを早く見つけられます。
- 新しい集中講座やオンライン講座など、新しい形式を試行した後。
- 企業研修では、記憶が新しいうちに各回の直後。
アンケートは、受講生が続ける理由とやめる理由を知る最も直接的な方法の一つです。フィードバックを退会防止の取り組み全体にどう組み込むかは、受講生の定着率を高める方法で解説しています。
匿名にするか、記名にするか
どちらにも役割があり、回答をどう使いたいかで選びます。
- 匿名のアンケートは、特に講師についての評価や言いにくい問題について、率直な回答が集まります。通常の授業評価に向いています。
- 記名のアンケートは、レベルや時間帯の問題を書いた受講生に個別に連絡するなど、フォローができます。フォローが目的のときに使い、冒頭でその旨を伝えます。
少人数のクラスでは注意が必要です。個別レッスンや4人のクラスでは、「匿名」の回答、特に自由記述は誰が書いたか分かりやすくなります。ごく少人数なら、複数の講座をまとめて評価する、自由記述を減らす、あるいは直接話を聞くことを検討しましょう。
どちらを選ぶ場合も、回答前に、匿名かどうか、誰が回答を見るか、何に使うかをはっきり伝えます。記名の回答は個人情報にあたるため、日本では個人情報保護委員会が所管する個人情報保護法に沿った取り扱いが求められます。これは一般的な情報であり法的助言ではないため、詳細は専門家にご確認ください。
短く役立つアンケートの作り方
授業評価アンケートの問題の多くは、長すぎる、あいまい、または回答を生かしようがない、という点から生まれます。次のルールが役立ちます。
- 短くする:5分ほどで答えられる8〜12問を目安にします。質問が1つ増えるたびに、ほかの質問の回答の質が下がります。
- 1問に1つの内容:「講師の説明は分かりやすく、準備は十分でしたか」は2つのことを聞いています。分けるか、どちらかにします。
- 尺度をそろえる:たとえば1〜5で、5が常に最もよい評価とします。尺度が混在すると受講生が迷い、分析も難しくなります。
- 変えられることを聞く:答えがどうであれ何も変わらない質問は外します。
- 誘導しない:「講座をどれくらい楽しめましたか」は楽しんだことが前提です。「講座全体にどの程度満足していますか」なら前提がありません。
- 自由記述を1〜2問:評価は問題の場所を、コメントは理由を示します。自由記述は最後に置き、任意にします。
- 受講生に合った言葉で:日本語学校なら、初級の受講生にも分かるやさしい日本語か母語で書き、読解力ではなく講座そのものを評価してもらいます。
配信の前に、同僚や受講生2人に回答してもらい、分かりにくい質問を指摘してもらいましょう。10分の試行で、1学期分のあいまいなデータを避けられます。
授業評価アンケートの質問例25選
次の質問は5つの領域に分かれています。1回のアンケートで25問すべてを使うのではなく、終了時アンケートなら領域ごとに2〜3問、中間アンケートなら全体で4〜5問を選びます。評価式の質問は1〜5の尺度で、5が最もよい評価です。
| 番号 | 領域 | 質問 | 質問形式 |
|---|---|---|---|
| 1 | 内容 | 講座の内容は、講座の説明と一致していた。 | 評価(1〜5) |
| 2 | 内容 | 講座のレベルは自分に合っていた。 | 単一選択:易しすぎる/ちょうどよい/難しすぎる |
| 3 | 内容 | 講座の進度は… | 単一選択:遅すぎる/ちょうどよい/速すぎる |
| 4 | 内容 | この講座で学んだことを実際に使える。 | 評価(1〜5) |
| 5 | 内容 | もっと時間をかけてほしいテーマは何ですか。 | 短文の自由記述 |
| 6 | 講師 | 講師の説明は分かりやすかった。 | 評価(1〜5) |
| 7 | 講師 | 講師は毎回の授業を十分に準備していた。 | 評価(1〜5) |
| 8 | 講師 | 自分の課題に役立つフィードバックをもらえた。 | 評価(1〜5) |
| 9 | 講師 | 講師は全員が参加できるよう促していた。 | 評価(1〜5) |
| 10 | 講師 | 講師のどんな点が最も学習に役立っていますか。 | 長文の自由記述 |
| 11 | 運営 | 授業の曜日と時間は自分の予定に合っている。 | 評価(1〜5) |
| 12 | 運営 | 時間割や変更の連絡は間に合うタイミングで届いた。 | 評価(1〜5) |
| 13 | 運営 | 事務局への問い合わせにはすぐに回答があった。 | 評価(1〜5) |
| 14 | 運営 | 次のうち、通いやすくなるものはどれですか。 | 複数選択:別の時間帯/オンライン授業の増加/短い授業/特になし |
| 15 | 運営 | 講座について質問があるとき、誰に連絡すればよいか知っていましたか。 | はい/いいえ |
| 16 | 教材・システム | 講座の教材は学習に役立った。 | 評価(1〜5) |
| 17 | 教材・システム | 教材、課題、日程をオンラインで簡単に見つけられた。 | 評価(1〜5) |
| 18 | 教材・システム | 最もよく使った教材はどれですか。 | 複数選択:配布資料/動画レッスン/練習問題/授業の録画 |
| 19 | 教材・システム | オンライン授業やシステムで技術的な問題がありましたか。 | はい/いいえ |
| 20 | 教材・システム | 教材やシステムで改善してほしい点は何ですか。 | 短文の自由記述 |
| 21 | 全体 | 講座全体にどの程度満足していますか。 | 評価(1〜5) |
| 22 | 全体 | この講座を友人や同僚に勧めたいと思いますか。 | 評価(1〜5) |
| 23 | 全体 | また当スクールの講座を受講したいですか。 | 単一選択:はい/たぶん/いいえ |
| 24 | 全体 | 講座で最も価値があったのは何ですか。 | 長文の自由記述 |
| 25 | 全体 | 講座をよくするために、一つだけ変えるとしたら何ですか。 | 長文の自由記述 |
コンパクトな終了時アンケートなら、1、2、6、8、11、17、21、22、25の9問で、ほとんどの受講生が5分以内に答えられます。中間アンケートなら3、6、12、25が使えます。中心となる質問はすべての講座と学期で同じにして、結果を時系列で比べられるようにしましょう。
質問22は推奨意向を聞くもので、全体的な愛着を測る指標として役立ちます。1回の結果で判断しすぎず、講座ごとに数学期にわたって追いかけます。
回答率を上げる方法
20人のクラスで回答が5件なら、分かるのはほぼその5人の意見だけです。次の習慣で、無理なく回答率を上げられます。
- 授業中に時間を取る:授業の最初か最後の5分を使い、スマートフォンで回答してもらいます。最も効果的な一手です。
- 目的を伝える:回答をどう使うかを1〜2文で説明し、以前のアンケートで変えたことの例を挙げます。
- 短さを伝える:冒頭に「8問、約4分」と書くだけで、回答のハードルが下がります。
- 期間を明確にする:数日間の回答期間と終了日を決め、締め切り前に一度だけリマインダーを送ります。
- スマートフォン向けに作る:多くの受講生はスマートフォンで答えるため、大きなマトリクス形式の質問や多すぎる自由記述は避けます。
- やりすぎない:毎回の授業後にアンケートが届くと、受講生は答えなくなります。ほとんどのプログラムでは講座ごとに2回で十分です。
回答を成績や特典に結びつけて受講生に圧力をかけるのは避けましょう。匿名のアンケートで誰が回答したかを確認すれば、匿名の約束も損なわれます。
結果の分析方法
平均だけでなく分布を見る
5点満点で平均3.8という結果は、ほぼ全員が4を付けた場合も、半数がとても満足し半数がとても不満な場合もあり得ます。後者には別の対応が必要です。平均を見る前に、回答の分布を確認しましょう。
コメントをすべて読み、テーマごとに分ける
自由記述はすべて読み、進度、説明、時間帯、教材、システムといったテーマを付け、それぞれの出現数を数えます。同じ問題を3人が挙げているほうが、1件の長く感情的なコメントより重要です。称賛と提案を分け、試せる具体的なアイデアをメモします。
比較は慎重に
同じ講座の同じ質問を学期ごとに比べるか、同じ質問を使う講座どうしで比べます。8人のクラスでは1人の回答で平均が大きく動くため、差は判断の材料ではなく、詳しく見るきっかけとして扱います。
講師に関する結果は個別に、建設的に話す
結果は講師ごとに1対1で共有し、うまくいっている点から話します。アンケートは授業見学、出席率、修了率などと並ぶ情報源の一つであり、講師に関する判断の唯一の根拠にしてはいけません。
アンケートの結果を出席率、継続率、修了率などの指標と組み合わせる方法は、スクール経営のKPIの記事で紹介しています。
何を変えたかを受講生に伝える
最も大切な段階は分析の後にあります。自分の意見がどうなったかを知らされない受講生は、次から答えなくなります。意見を改善につなげ、その結果を受講生に返すには、次の3つを行います。
- 行動を2〜3つに絞る:一度にすべては直せません。多く挙がったテーマに対応し、実際に実行できる変更を選びます。
- 受講生に伝える:次の授業や短いメッセージで伝えます。「文法の単元の進度が速いという声がありました。来週から4回に1回は復習の回にします」。
- 変えないことと、その理由も伝える:別の時間帯の開講など、多くの要望があっても提供できないことは正直に伝えます。回答を読んだことが伝わります。
終了時アンケートの後はクラスが解散しているため、変更は次のクラスに伝えます。「前回の受講生の声をもとに、次のように変えました」と伝えると、初回から信頼が生まれ、新しいクラスも意見を出しやすくなります。
アンケートごとに、主なテーマと変えたことを簡単に記録しておきましょう。数学期分たまると講座の改善の記録になり、品質の見直し、講師の育成、企業研修の依頼元との打ち合わせにも役立ちます。
Zolinexでできる授業評価アンケート
Zolinexでは、講座ごとにアンケートを作成し、匿名か記名かを選べます。開始日と終了日で回答期間を決められます。質問形式は単一選択、複数選択、短文、長文、評価(1〜5の星や尺度など)、はい・いいえの6種類で、どの質問も必須に設定できるため、上の25問はそのまま作成できます。受講生はスマートフォンなどのブラウザから自分のポータルで回答できるので、授業中の実施も簡単です。結果画面では評価の分布と自由記述の回答を確認でき、匿名のアンケートでは名前は表示されません。何を変えたかの報告には、講座チャットやダイレクトメッセージを使えます。詳しくは機能一覧や料金プランをご覧ください。
授業評価アンケートの価値は、その後に何をするかで決まります。適切な時期に明確な質問をいくつか投げかけ、回答を丁寧に読み、意見で何かが変わったことを受講生に示す。それが、学期が変わっても受講生が答え続けてくれる理由になります。
よくある質問
授業評価アンケートとは何ですか?
受講生が講座を評価し、内容、指導、運営、教材についてコメントする短いアンケートです。スクールや研修機関は、回答をもとに今のクラスや次のクラスのために講座を改善し、講師の育成に生かし、受講生が退会する前に問題を見つけます。通常は同じ尺度の評価式の質問に、自由記述を1〜2問組み合わせます。
授業評価アンケートや研修アンケートにはどんな質問を入れるべきですか?
内容(レベル、進度、実用性)、講師(説明、準備、フィードバック)、運営(時間帯、連絡)、教材・システム、全体の満足度の5つの領域を押さえます。多くの項目は同じ尺度の評価式にし、最も役立ったことや一つだけ変えるなら何かといった自由記述を1〜2問加えます。終了時アンケートなら8〜12問で十分です。
授業評価アンケートは匿名にすべきですか?
通常の授業評価では、匿名のほうが特に講師について率直な回答が集まります。個々の受講生にフォローが必要な場合は記名が適しています。ごく少人数のクラスでは匿名でも誰の回答か分かりやすいため、自由記述を減らすか、複数のクラスをまとめて評価します。匿名かどうかと、誰が回答を見るかは必ず事前に伝えましょう。
アンケートの回答率を上げるにはどうすればよいですか?
授業中に5分ほど時間を取り、スマートフォンで回答してもらいます。回答をどう使うかを説明し、できれば5分以内で終わる長さにします。終了日を明確にし、リマインダーは一度だけ送り、アンケートを頻繁に行いすぎないようにします。以前の回答で講座が目に見えて変わったことを知っている受講生ほど、進んで回答してくれます。
授業評価アンケートの結果はどう活用すればよいですか?
平均だけでなく評価の分布を見て、自由記述をテーマごとに分け、それぞれの出現数を数えます。実行できる変更を2〜3つ選び、何を変えたか、何を変えられないかを受講生に伝えます。講師に関する結果は個別に建設的に話し合い、改善の経過を追えるよう、アンケートごとに簡単な記録を残しましょう。