スクール運営

研修管理システムとは:企業研修の計画・記録・効果測定

研修管理システムで企業研修をどう運営するかを解説します。研修ニーズの分析、研修カタログ、出欠と修了の記録、修了証、カークパトリックモデルによる効果測定まで。

目次
  1. 企業研修の管理に含まれるもの
  2. 研修ニーズの分析から始める
  3. 研修カタログを作り、日程を組む
  4. 受講登録と、出欠・修了の記録
  5. 定期的な義務研修を管理する
  6. テスト、修了証、アンケート
  7. カークパトリックモデルで効果を測る
  8. Zolinexでできる企業研修の管理

研修管理システムとは、人事・人材開発部門が社員研修の計画、実施、記録を一か所で行うためのソフトウェアです。研修カタログ、日程と講師、受講登録、出欠、テスト、修了証、アンケートをまとめて管理します。企業研修の管理とは、研修ニーズの分析から、研修で働き方が変わったことを示すまでの一連のプロセスを指します。うまく運営できていれば、誰にどの研修が必要か、誰が修了したか、効果はあったかという3つの問いにいつでも答えられます。

要点まとめ

  • 研修計画は必ずニーズ分析から始め、各研修を職務、リスク、事業目標のいずれかに結びつけます。
  • 社員と研修ごとに、日付、講師、出欠、テストの結果、修了証を一つの記録にまとめます。これがなければ修了を証明できません。
  • 安全衛生や個人情報保護など定期的に必要な研修は、期限を入れた研修マトリクスで管理します。
  • 効果はカークパトリックの4段階(反応・学習・行動・成果)で測り、受講者1人あたりのコストで形式を比べます。

企業研修の管理に含まれるもの

企業研修の管理は、研修当日だけでなく、社員の学びのサイクル全体を対象とします。社内の人事・人材開発部門にも、取引先企業に研修を提供する研修会社にも当てはまり、どちらも研修を効率よく運営し、実施したことと時間をかける価値があったことを後から示すという同じ課題を抱えています。

サイクルは6つの段階から成ります。

  1. ニーズを分析する:職務ごとに必要なスキルや義務は何か、どこに不足があるか。
  2. 提供内容を計画する:研修カタログを作り、日程を組みます。
  3. 登録して実施する:社員を割り当て、集合研修、ライブのオンライン研修、自分のペースで進める研修を行います。
  4. 記録する:出欠、修了、テストの結果、修了証。
  5. 評価する:アンケートを集め、学習と効果を測ります。
  6. 改善する:カタログを見直し、次のサイクルを計画します。

多くの企業は、表計算ソフト、メールでの案内、紙の出席簿で運営しています。研修が数本ならそれで回りますが、社員が数十人を超え、定期的な義務研修と複数の講師が加わると、修了証が見当たらない、更新時期を見落とす、誰が何を修了したかすぐに答えられない、といった穴が見えてきます。研修管理システムは、こうした散らばった一覧を一つの共有記録に置き換えます。

研修ニーズの分析から始める

研修ニーズ分析とは、職務に求められるスキルや知識と、社員の現在の力を比べることです。役に立ちそうだったから申し込んだが、実は誰にも必要なかった、という企業研修で最もよくある無駄を防ぎます。

研修ニーズの出どころ

  • 職務の要件:職務記述書やコンピテンシーに挙げられたスキル。
  • 義務的なテーマ:法令、業界基準、取引先との契約で求められる研修。
  • 成果の不足:ミス、クレーム、事故、目標未達など、スキルの問題を示すもの。
  • 変化:新しいソフトウェア、業務プロセス、製品、組織変更。
  • 育成:評価面談での社員や上司からの要望、後継者の育成計画。

優先順位の付け方

たいていは予算よりニーズのほうが多くなります。研修をしなかった場合のリスクやコスト(労働災害、取引先の喪失、監査での指摘など)と、影響を受ける人数の2つでニーズを順位付けします。義務的でリスクの高いテーマを最初に、次に明確な事業目標を支える研修、最後に個人の育成です。

項目ごとに、「新任のチームリーダーが構造化されたフィードバック面談を行える」のように期待する成果を書いておきます。後で効果を測るときにこの一文が必要になります。また、すべての不足が研修で解決するわけではありません。やるべきことは分かっていても時間、道具、明確な指示がないなら、研修では直りません。申し込む前に、研修後に何が変わるべきかを上司に聞きましょう。

研修カタログを作り、日程を組む

研修カタログは、組織が提供するすべての研修を、同じ項目でまとめた一覧です。上司や社員に研修の内容が見えるようになり、講師や部署が違っても計画にばらつきが出ません。

カタログの各項目に入れる内容

  • 研修名と2文程度の説明
  • 対象者と受講の前提条件
  • 観察できる成果として書いた学習目標
  • 形式:集合研修、ライブのオンライン研修、動画での自習、ブレンド型
  • 所要時間と回数
  • 講師または研修会社(社内・社外)
  • 評価の方法と、あれば合格点
  • 修了証と、社内規程上の再受講の要否と頻度
  • 内容を最新に保つ担当者

適切な形式を選ぶ

製品の基礎や社内規程の入門のように、多くの人が別々のタイミングで必要とする知識には、動画での自習が向いています。リーダーシップや難しい顧客対応のように練習、議論、質疑が必要なテーマには、会場でもオンラインでもライブの研修が向いています。ブレンド型なら、社員が先に短い動画を見て、ライブの時間を演習に使えます。動画レッスンと教材の構成はeラーニング導入ガイドで紹介しています。

現実的な日程を組む

研修は業務の繁忙期を避けて組みます。講師の空き状況と対象チームの予定を確認し、演習ができるよう少人数にし、会場や会議リンクは早めに確保します。上司がチームの業務を調整できるよう日程は数週間前に知らせ、すべての研修はメールのやり取りではなく一つのカレンダーで公開します。

受講登録と、出欠・修了の記録

受講登録によって、計画が具体的な約束になります。誰が登録するかを決めましょう。人事部門がまとめて行うのか、上司が自分のチームを登録するのか、その組み合わせか。どの方法でも、社員、研修、日程、状態がすべて一か所で見えるようにします。

研修の目的、日程、会場やリンク、事前準備を明記した案内を送り、1〜2日前に短いリマインダーを送ると無断欠席を減らせます。参加できない社員は、後で誰かが思い出すのを待たず、すぐに別の日程に登録し直します。

完全な研修記録に含めるもの

研修記録は証拠になります。社員と研修ごとに、少なくとも次の内容を記録します。

  • 社員の氏名と職務・部署
  • 研修名と内容のバージョン
  • 日付、時間、形式
  • 講師または研修会社
  • 各回の出欠
  • テストを行った場合はその結果
  • 発行した修了証と発行日
  • 定期的な研修の場合は次の期限

「出席した」と「修了した」は別のものとして扱います。修了とは、全回に出席し最終テストに合格したなど、決めた基準を満たしたことを意味するべきです。研修記録は個人情報なので、閲覧できる人を必要な人に限り、データの使い方を社員に伝えるなど、個人情報保護法に沿って取り扱います。これは一般的な情報であり、法的助言ではありません。

定期的な義務研修を管理する

多くの組織には、一定の間隔で繰り返す必要のある研修があります。代表的なのは安全衛生教育、防火・防災、救命講習、個人情報保護と情報セキュリティで、食品衛生や特定の機械の操作など職種別のものもあります。どの研修が義務か、どの頻度で更新し、どう記録すべきかは、業種や事業内容、ときには取引先との契約によって異なります。

実務で役立つのが研修マトリクスです。行に社員か職務、列に義務研修のテーマを並べ、各セルに直近の修了日と次の期限を入れます。毎月見直し、2か月以内に期限が来るものに印を付けて日程を組む時間を確保し、期限切れのものは本人の上司に伝えます。

  • 義務研修のテーマごとに担当者を一人決めます。
  • 更新の間隔は専門家の助言か社内規程に基づいて決め、カタログに記載します。
  • 入社時に必要な研修は採用時のチェックリストに入れ、新入社員を最初の週から登録します。
  • 修了証と出席記録は保存規程が定める期間だけ保管し、それ以上は保管しません。

この章は一般的な概要であり、法的助言ではありません。自社に適用される具体的な要件は、労働安全衛生の専門家や社会保険労務士、弁護士にご確認ください。

テスト、修了証、アンケート

テスト

テストは、研修で意図したことを受講者が学んだかを示します。知識の確認には、自動で採点できる多肢選択や正誤の短いオンラインテストが向いています。スキルには、実技課題、事例問題、講師が観察する短い実演を使います。結果が公平で比べられるよう、合格点と再受験の回数は事前に決めておきます。問題形式と公平なテストの作り方はオンラインテストの作り方で解説しています。

修了証

修了証は、社員本人、監査担当者、ときには取引先に対して修了を証明します。社員の氏名、研修名、日付、時間または内容、発行者を記載します。検証ページにつながるQRコード付きの修了証なら、人事部門にメールで問い合わせなくても数秒で確認できます。仕組みはQRコード付きデジタル修了証の記事をご覧ください。

アンケート

研修の直後に短いアンケートを取ります。有用性、講師、運営についての評価をいくつかと、「来週から何を変えますか」のような自由記述を1〜2問です。講師についての率直な回答は匿名のほうが集まりやすくなります。主な結果を講師と共有し、繰り返し出てくる意見には対応しましょう。

カークパトリックモデルで効果を測る

カークパトリックモデルは、ドナルド・カークパトリックが1950年代後半に提唱した、研修評価で最もよく知られた枠組みです。反応、学習、行動、成果の4つのレベルが積み重なっており、レベルが上がるほど証拠としての意味は大きくなり、集める手間も増えます。

カークパトリックのレベル答える問い測定方法時期
1. 反応受講者は研修を業務に関連があり、役に立ち、よく運営されていたと感じたか評価と自由記述1〜2問の短いアンケート研修の直後
2. 学習受講者は意図した知識、スキル、自信を得たか研修前後のテスト、実技課題、講師の観察研修の終わり
3. 行動受講者は学んだことを日々の業務で使っているか上司との面談、職場での観察、追跡アンケート、業務の成果物数週間から数か月後
4. 成果研修は事業の成果に貢献したかミスの割合、事故、クレーム、独り立ちまでの期間など、事前に合意した指標を基準値と比較数か月後

すべての研修で4段階すべてを測る必要はありません。実用的な目安は、反応と学習はすべての研修で、行動は重要なプログラムで、成果は戦略的で費用の大きい少数の研修で測ることです。レベル3と4の指標は研修の前に上司と合意し、基準値を記録しておきます。そうしないと、後で比べる対象がありません。

受講者1人あたりのコスト

受講者1人あたりのコストを出すと、研修や形式を比較できます。講師料、会場、教材、ライセンス、交通費などの直接費を合計し、受講者数で割ります。より全体を見るには、受講者の勤務時間という間接費も加えます。

架空の例として、社員12人の1日研修を考えます。

  • 直接費:講師料25万円+会場・飲食5万円+教材1.8万円=31.8万円。1人あたり26,500円です。
  • 勤務時間:12人×8時間×平均時給3,000円=28.8万円。
  • 合計:60.6万円。1人あたり50,500円です。

12人のうち10人しか修了しなければ、修了者1人あたりのコストは60,600円に上がります。無断欠席や途中離脱が予算に響くのはこのためで、多くの社員が必要とする知識のテーマなら、動画での自習のほうが1人あたり安くなることがあります。

Zolinexでできる企業研修の管理

Zolinexはクラウド型のコース管理システムで、人材開発部門や研修会社が社員研修に使えます。社員は「受講生」としてExcelやCSVから一括で取り込み、研修講師は「講師」として登録し、それぞれ専用のポータルを使います。各研修は、日程、資料、チャット、Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsなどの会議リンクを持つ1つの講座になります。講師は各回の出欠を記録し、動画レッスン、合格点を設定したオンラインテスト、フィードバック用のアンケートを追加できます。修了した研修はQRコードで検証できる修了証で記録でき、問い合わせはヘルプデスクで受け付けます。動画の視聴状況は社員本人には見えますが管理者には見えないため、修了の記録には出欠とテストの結果を使います。人事システムとの連携、SSO、SCORMには対応していません。詳しくは機能一覧をご覧ください。

よい研修管理を支えるのは、何よりも日々の規律です。明確なニーズ分析、社員ごとの信頼できる記録、そして効果を誠実に測るいくつかの指標。まず義務研修と重要なプログラムを一つ選び、そこから広げていきましょう。

よくある質問

研修管理システムとは何ですか?

社員研修の計画、実施、記録を行うためのソフトウェアです。研修カタログ、日程と講師、受講登録、出欠、テスト、修了証、アンケートを一か所にまとめます。人事・人材開発部門や社外の研修会社が、表計算ソフトやメールの代わりに使い、誰がどの研修を修了したかをいつでも確認し、上司、監査担当者、取引先に修了を証明できるようにします。

カークパトリックモデルの4段階とは何ですか?

研修を4つのレベルで評価するモデルです。レベル1の反応は、受講者が研修を有用でよく運営されていたと感じたかを問います。レベル2の学習は、得た知識やスキルをテストなどで測ります。レベル3の行動は、数週間から数か月後に職場で活用しているかを確認し、レベル4の成果は、ミスや事故の減少などの事業成果を、事前に合意した基準値と比べて見ます。

社員の義務研修はどう管理すればよいですか?

行に社員か職務、列に義務研修のテーマを並べ、各セルに直近の修了日と次の期限を入れた研修マトリクスを使います。テーマごとに担当者を決め、毎月見直し、期限よりかなり前に更新の研修を組みます。どの研修が義務で、どの頻度で繰り返すべきかは業種や事業内容によって異なるため、要件は専門家に確認しましょう。

社員の研修記録には何を含めるべきですか?

社員の氏名と職務、研修名と内容のバージョン、日付・時間・形式、講師または研修会社、各回の出欠、テストの結果、発行した修了証、定期的な研修なら次の期限を含めます。出席と修了は区別しましょう。研修記録は個人情報保護法上の個人情報にあたるため、閲覧できる人を限り、安全に管理することが大切です。

研修の受講者1人あたりのコストはどう計算しますか?

講師料、会場、教材、ライセンス、交通費などの直接費を合計し、受講者数で割ります。より全体を見るには、受講者の勤務時間のコストも加えます。実際に修了した社員の数で割れば修了者1人あたりのコストになり、無断欠席や途中離脱のコストが分かり、集合研修、ライブのオンライン研修、動画での自習を比較できます。

Zolinex編集部

Zolinex編集部は、学校・語学スクール・研修機関向けのクラウド型管理ソフトを開発するチームです。ガイドは、スクールが日々の講座・受講生・受講料をどう運営しているかに基づいています。